個人投資家が成功するには

資産形成

機関投資家よりも弱者である個人投資家は、機関投資家と同じ戦略をとっていても勝てるはずがありません。個人投資家は個人投資家としての戦い方で戦っていくべきなのです。

個人投資家は機関投資家と比べて情報量、質共に劣っている

 機関投資家は情報という点において下記の理由から個人投資家よりも圧倒的に有利な立場にあります。

  • 資金力が個人投資家と比較してけた違いにある
  • 分析力(マンパワー)が個人投資家と比較して桁違いにある
  • 株主用説明会がプロだけで行われるので質問や回答のレベルが高い
  • 直接企業の経営者と会って話せる

 個人投資家は情報のスピード、質、量とすべてにおいてハンデを背負いながら戦いをしなければなりません。つまり情報戦となる戦いになれば非常に劣勢であると言えます。当然機関投資家は情報戦を仕掛けてくるわけですから同じ戦略で勝てるわけがありません。また、機関投資家は情報の上流から下流の個人投資家に自分が有利になるようなポジショントークをすることもあります。その情報に飛びつけば、機関投資家に利するばかりで個人投資家は損をするだけです。

 市場平均を上回る運用の勝ち組がいるという事は、市場平均を下回る負け組の存在があるからであってこの弱肉強食の争いに個人投資家は巻き込まれてはいけません。

個人投資家は何の点で機関投資家に対して有利なのか

 では、違う戦略をとるために、何が個人投資家が機関投資家よりも有利なのかを考えてみましょう。

 機関投資家は機関ですから、決算期があります。つまり、最低でも決算期ごとに資産を預けている顧客へ現在の運用成績について説明をしなければなりません。これはつまり決算期ごとに見栄えの良い状態にしなければならないというプレッシャーがあるという事です。企業に勤めている方や経営者の方ならわかると思いますが月末は売り上げ目標の引き上げが行われたり、棚卸のために在庫を絞ったりと色々な小手先の努力が強いられる事があります。決算の見栄えをよくするために長期的目標とは相反することを短期目標にするという事がよく社会では起こっています。

 個人投資家は機関投資家と違って決算期に持っている株式を売って手仕舞いする必要は無いですし、他の資産に乗り換えたり、それでますます傷口が広がったりといった事をしなくて良いのです。

個人投資家の取るべき戦略

 個人投資家が機関投資家に勝つ方法は、長期投資でマーケットが不調の時もできる限り投資するという姿勢で臨むことです。そうすればマーケットの稲妻が輝く瞬間に居合わせ、株価の上昇という大きな果実を得ることができます。個人であればたとえ株式投信で大損していても、長い目で見られるので所謂塩漬にしてしまえば良いのです。地合いが良くなればその企業が倒産しない限り必ずまた株価が上がる時が来ます。それを待てばよいのです。

 機関投資家はそうはいきません。彼らは、運用を委託した資金提供者から毎年数%の信託報酬を得て資金を任されています。つまり信託報酬分の利率で借金しているのと同じプレッシャーを感じているはずです。このコスト(信託報酬)を上回る運用成果が決算ごとに求められているのです。

 個人投資家はこのようなプレッシャーとは無縁です。余裕資産が現時点で多少減っていようとも長期的に上昇していればよいという考えでどっかりと腰を据えて運用を行えばよいのです。

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