株式投資はこれからの日本人にとって必須スキルとなっていく事は間違いありませんが、投資だけで生計を立てる程に利益をあげるのは現実的ではありません。これを理解していないと投資で騙されかねないので注意が必要です。
投資は月に元本の10%も儲からない
これは株式投資に限った話ではありませんが、投資というのは月10%も20%も利益をあげるものではありません。投機的な動きをすれば倍やそれ以上の利益が上がる可能性もありますが、それ以上に損失を出す可能性もある諸刃の剣です。投機では持続可能な利益を得ることは難しく、大部分の人は持続的に利益をあげ続けることはできません。
株式の期待リターンはS&P500ですら上昇率は年10.7%
1957年以来S&P500は10.7%の上昇率を記録しています。種銭が1000万だとしても年100万円位の利益なのでとても生活できるようなレベルの利益とは言えませんね。年間600万位の利益が欲しいとすると6000万程度が必要となります。
株式の利益には20%の税金がかかる
株の利益には約20%の税金がかかります。細かく言うと配当金は総合課税(超過累進課税)と分離課税(20%固定)を選べて売却益は分離課税(20%固定)のみだったりと色々あるのですが、ほとんどの日本人は所得税が20%以下ですので働いて得るよりも株式のみで所得を得ようとすると税率が上がってしまいます。つまり、年収に対する手取り金額が少なくなってしまうのです。それもまた株式投資のみで生活することを難しくしています。
金融所得課税増税の足音
ここ最近も金融所得課税の増税が政府より仄めかされたり、金融資産所得は増税のやり玉にあがりやすくなっています。金融所得課税が増税されますと、さらに手取りは少なくなってしまうので、あまり過度にFIRE(Finnancial Independencee Retire Early)に期待しすぎると痛い目に合うような気がします。
過度な期待を株式投資にしてはいけない
株式投資は資産形成において非常に重要なツールです。ただし株式投資だけで生活をしようとすると数年で倍にするような張り方をせざるを得ず、リスクの高い商品に手を出すこととなります。そしてそれでは持続可能な資産形成は望めません。
100歩譲ってそのリスクを理解しながら投機を行うなら私から注意できることはありません。私も逆張り投資家ではあるので株式投資にはそういう側面がある事も理解しています。ただ、それは過去において私の性格と時代が偶然合っただけではないかなと感じています。
多くの日本人は投資の適正な利益の感覚が無いため、他人に高い利益率をちらつかされてリスクを理解しないまま大切な資産を溶かしてしまうパターンが多いです。資産運用ではハイリスクな投資か否かという事を見分ける肌感覚を養うことも非常に重要だと私は考えています。