
もうすぐ、ED治療薬の代表格である「シアリス」が薬局で買える(OTC化)ようになります。これまで病院の処方箋が必要だったED治療薬ですが、身近な場所で手に入るようになるのは大きな変化ですね。
今回は、現在処方箋で用いられている3つのED治療薬の違いや、見落としがけない「飲み合わせの注意点(禁忌)」について、現役薬剤師の視点からわかりやすく解説します。
処方箋で使える3つのED治療薬、どう違う?
現在、医療現場で主に使用されているED治療薬は以下の3種類です。

- シルデナフィルクエン酸塩(バイアグラ®):認知度が高く、世界中で最も多くの使用実績があります。
- バルデナフィル(レビトラ®):効き目が現れるまでの時間が早いのが特徴ですが、現在先発品の販売が中止中となっています。
- タダラフィル(シアリス®):食事の影響をほとんど受けず、効果が最長36時間と非常に長いのが特徴です。
3つの大きな特徴まとめ
- バイアグラ®:有名で安心感がある・実績豊富
- レビトラ®:効き目が早い
- シアリス®:食事との影響が少ない・効果が長時間持続
数あるED治療薬の中でも、「食事の影響を受けにくく、効果が長い」シアリスは非常に使いやすい薬といえます。
飲んではいけない薬がある?【併用禁忌に注意】
ED治療薬は、一緒に飲むと危険な薬(併用禁忌薬)がいくつか存在します。安全に使用するために必ず確認しておきましょう。

① すべてのED治療薬に共通する禁忌薬
以下の薬を服用している方は、どのED治療薬も使用できません。
- 硝酸剤および一酸化窒素(NO)供与剤
- 具体例:ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド、ニコランジルなど
- 理由:血管拡張作用が強まり、過度に血圧が下がるおそれがあります(貼り薬や吸入薬も含まれます)。
- 可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)刺激剤
- 具体例:リオシグアト(アデムパス)
- 理由:血圧が急激に低下し、ふらつきなどを起こすおそれがあります。
⚠️ 注意が必要な方 肺高血圧症、狭心症、心筋梗塞などの持病がある方は特に注意が必要です。
② バルデナフィル(レビトラ®)固有の併用禁忌薬
バルデナフィルは、シアリスなどに比べて併用禁忌とされる薬が非常に多いのが特徴です。
- 特定の抗不整脈薬(クラスIA:キニジン等、クラスIII:アミオダロン等):心臓への負担や不整脈のリスクが高まるため。
- 強力なCYP3A4阻害剤(HIVプロテアーゼ阻害剤、一部の抗真菌薬、コビシスタット含有製剤など):薬の代謝が妨げられ、血中濃度が跳ね上がって重篤な副作用を引き起こす危険があるため。
これらを考えると、レビトラ®は併用禁忌薬が多く、少し使いにくい側面があります。
💡 その他の服用注意点 薬の飲み合わせ以外にも、重度の肝障害、血液透析が必要な腎障害、最近6か月以内の脳梗塞・心筋梗塞の既往がある方などは、薬剤そのものの服用が禁止されている場合があります。必ず事前に医師や薬剤師へ持病や服用中の薬を伝えてください。
いよいよシアリスOTCが発売へ
気になる発売スケジュールですが、どうやら少し特殊なステップを踏むようです。
- 先行発売:2026年7月31日(金)よりドラッグストアで販売開始
- 全国展開:2026年8月31日(月)より全国の薬局で販売拡大
少し大人の事情が見え隠れするスケジュール(大人の薬だけに)ではありますが、いよいよ身近な場所で手に入るようになります。
OTCシアリスの効能効果と用法容量
効能効果と用法容量は下記となります
効能・効果
ぼっ起不全(満足な性行為を行うに十分なぼっ起とその維持が出来ない人)
〈効能・効果に関連する注意〉
- 本剤は催いん剤又は性欲増進剤ではありません。
- 本剤は性行為感染症を防ぐ効果はありません。
- 本剤を服用するだけではぼっ起が起こることはなく、性的刺激があった時だけぼっ起が起こります。その効果は服用後約30分からあらわれ、最大で服用後36時間続きます。
用法・用量
成分1錠中成人男性(18才以上)1回1錠を、性行為の約1時間前に水又はぬるま湯で服用してください。1日1錠を超えて服用しないでください。また服用間隔は24時間以上あけてください。
〈用法・用量に関連する注意〉
- 用法・用量を厳守してください。
- 食前・食後にかかわらず服用できます。
- 過度の飲酒時に本剤を服用することはお控えください。
- 毎日連続して服用することは推奨できません。連日服用する場合には医師に相談してください。
OTCシアリスならではの注意点
薬局で買えるようになる「OTCシアリス」は、10mg錠のみの販売となります。
医師の診察のもとで用量調節を行う医療用と異なり、用量の変更ができないため、CYP3A4を強力に阻害する薬剤(抗生物質のクラリスロマイシン等を含む)との併用ができない点にも十分な注意が必要です。
購入時は信頼できる薬剤師に相談を
ED治療薬のOTC化は非常に便利になりますが、ご自身の持病や現在飲んでいるお薬との飲み合わせ(飲み合わせの禁忌)を正しく判断することがとても大切です。
思わぬ体調不良を防ぐためにも、質問や悩みの相談がしやすい、「かかりつけ薬剤師」のいる薬局で、しっかりと説明を受けてから購入されることを強くおすすめします。


